根管治療で治せないケース

1. 歯の根っこの先に
   膿が溜まってしまっている歯

   溜まっている膿が軽度であれば再度神経をキレイに消毒して膿を出すという処置をすれば改善できるので抜歯には至りません。

   しかし、膿が重度で多く溜まってしまっている場合は、周りの骨をも溶かしてしまうことになるので、そうならないように抜歯することになります。

   
2. 歯の根っこが割れている歯

   歯の噛み合わせが強すぎたり、歯並びの問題で一部の歯だけに強すぎる負荷がかかる噛み合わせになる人がいます。そのような人は、ぐっと食いしばった拍子に、歯の根っこに負担がかかりすぎて、歯の根っこが割れてしまうことがあります。

   歯の根っこが割れているので、もちろん痛みを伴います。折れてしまった根っこをくっつけることは出来ませんので抜歯することになります。もし、放置していると細菌感染が骨にまで広がってしまいます。

   

根管治療後の痛みについて

根管治療の後に歯に物が当たると痛かったり、噛むと痛かったりすることがあります。歯の根の周りには、噛んだ時に硬い物や軟らかいものを判断する歯根膜という薄いクッションがあります。根の先からこの歯根膜に炎症が伝わると咬合時に痛みが出ます。

普通に噛んでも強い痛みがある時には、歯医者で治療している歯の噛み合わせを調整してもらいます。噛む時に刺激がなくなれば楽になります。また痛みが強ければ痛み止めを服用します。治療中の歯は安静にしておく必要があるため、噛まないように注意してください。

根管治療の成功率

その歯にとって初めての根の治療であれば約90％以上とされています。しかし口腔衛生状態や治療の複雑さ、歯の位置などにより異なることがあります。またその歯が何回も根の治療を受けていて根管の形態が大きく損なわれていたり根の先の病変が大きかったりすると成功率は著しく低下します。

根管治療の期間が長くなる理由

治療の期間は通常1～3回の通院で完了しますが、感染の度合いや症状や治療の複雑さその歯が何回根の治療を今まで受けたかによってはそれ以上の回数が必要になります。根の治療が終わっても土台をたてたりかぶせものを作ったりとその後も数回かかります。

治療回数や治療の期間

根管が複数あったり複雑な形態を有していると内部を清掃・消毒し、感染物を取り除くのが難しくなるため治療回数が必要になります。

根管治療の流れ

1. 診査、診断
2. 患歯の特定
3. 根管へのアプローチ
4. 感染物の除去
5. 根管内の清掃、消毒、
6. 根管に最終的なお薬を充填し根管治療が完了します。
7. その後歯冠修復処置へと移行になります。

精密な治療を行うための医院設備

マイクロスコープについて

マイクロスコープは、歯科治療で使用される高倍率の顕微鏡で、治療部位を詳細に観察行い映像や画像で記録を残すための装置です。

マイクロスコープを根管治療で使用するメリット

• 視野の拡大

裸眼時よりも高倍率で治療部位を確認できるため、微細な構造や感染部位をより正確に確認できます。

• 再発のリスクの軽減

視野が広がることで、治療の精度が上がり再発のリスクを軽減します。

• 複雑なケースへの対応

亀裂や穿孔部や根の形態が裸眼時より正確に確認できアプローチができるので治療の選択肢が増えます。

• 記録とプレゼン

記録ができるため映像や写真などを用いて簡単にわかりやすく情報を共有することができます。

ラバーダム防湿

ラバーダム防湿とは、治療中の歯をゴムシートで覆い、唾液や口腔内の細菌が治療部位に入らないようにする方法です。

ラバーダム防湿を行うことによるメリット

• 感染防止

唾液や細菌の侵入を防ぎ、治療中の感染リスクを低減します。

• 治療の精度向上

乾燥した環境で治療を行うことで、使用する材料の効果が最大限に発揮されます。

• 患者の快適性向上

患者が唾液の流入を気にすることなく治療を受けられるため、快適性が増します。

注意点

当医院では自費の根管治療は行っていません。マイクロスコープやラバーダム防湿などは術者が必要と判断した時のみ使用します。必ず使って治療してほしいなどの要望は受けていません。ご了承ください。